現代のイスラエルは、多くの意味で、国自体がスタートアップ-すなわち「起業国家」です。天然資源に恵まれない砂漠で誕生したイスラエルは、混乱や紛争を乗り越えて、過去に例を見ない革新のグローバルリーダーに成長しました。
イスラエルの起業家精神のルーツは、様々な困難を克服してきた歴史にあります。そして今やイスラエルには、公共部門による強力な支援や戦略的パートナーシップ、国内外からの広範な投資に支えられて、多数のパイオニア企業が集積しています。イスラエルの革新的な起業家たちは、サイバー分野や医療、自動運転、エネルギー、マシンラーニング、スマート農業、ドローン、航空宇宙など、まさにあらゆる部門で技術の限界に挑んでいます。
イスラエルの革新のエコシステムは、外部志向の「好循環」のシステムであり、ビジョンと不屈の精神に基づき、グローバルな問題の解決へと向かっています。
ハイテク部門で働く労働人口の割合は、欧州では2%強であるのに対し、イスラエルでは8%を超過、更にハイテク部門の全労働人口に占める女性の割合は、欧州では32%ですがイスラエルでは36%を超えています。イスラエルには7,000超のスタートアップ企業があり、テルアビブだけで約1,000社が操業しています。
イスラエルの創造力について、イスラエルの元首相でノーベル賞受賞者のシモン・ペレス氏は、次のように評しました。「天然資源に恵まれないイスラエルの地で、私たちはこの国最大の利点、すなわち自身の精神、マインドを大切にするようになりました。創造性と革新性によって、私たちは不毛の砂漠を実り豊かな大地へと変え、科学技術の新たなフロンティアを開拓したのです」
イスラエルのアラブ系市民によるスタートアップ企業
年々イスラエルのハイテク部門は拡大し、様々な背景を持つ参入者を迎えています。今ではイスラエル国内の約70のスタートアップ企業がアラブ系市民によって経営されており、その多くはハイファとナザレを拠点としています。そのうちの約40社には、イスラエルのチーフ・サイエンティスト局(OCS)から助成金が支給されました。更に、3万人を超えるアラブ人がイスラエルのハイテク部門で働いています。