創造性、優れた技術力、そしてかの有名なイスラエルの「フツパー」(大胆さ)に、官民からの強力な研究開発支援が加わり、イスラエルにはスタートアップ企業のエコシステムとして最適の状況が整いました。イスラエル自体も、「起業国家」や「シリコンワディ」として知られています。IoTやマシンラーニング、ニューラルネットワーク、クローン、サイバー、バーチャルリアリティなど様々な分野で、イスラエルの企業、学術機関、研究開発拠点は、最先端の技術を世界規模でもたらしています。
今やイスラエル出身のノーベル賞受賞者は12人に及び、そのうち6人は化学者です。またイスラエルはナスダック上場企業数で、米国、カナダ、中国に次ぐ世界第4位の国であり、2018年現在、94のイスラエル企業が上場されています。なお中東地域でナスダックに上場されている企業があるのは、イスラエルだけです。
インテル、グーグル、マイクロソフト、モトローラ、フェイスブックなどの大手多国籍企業や、セコイア(Sequoia)、ベッセマー(Bessemer)、ライトスピード(LightSpeed)などのトップレベルのベンチャー企業も、イスラエルに拠点を構えています。またこうした多国籍企業の社員が自らベンチャーを立ち上げることもよくあります。
2017年ブルームバーグ・イノベーション指数で、イスラエルは世界で5番目に革新的な国に選ばれました。
R&D人材、財政支援、人口に占める高等教育機関進学者の多さなども、この栄誉につながりました。
自動運転技術の推進
自国製の車は1台もないにもかかわらず、イスラエルは自動運転の技術大国となっています。100社を超えるイスラエルのスタートアップ企業が、自動運転に向けた革新の原動力となるアルゴリズムを開発し、GMやダイムラー、フォルクスワーゲンなど、世界最大の自動車メーカー各社の関心を集めています。2016年にはインテルがイスラエルのモービルアイを154億米ドルで買収、モービルアイ社は自動車運転支援システムを開発しています。