中東を歴訪中の安倍晋三首相は18日朝、イスラエルに到着し、大きな歓迎をもって迎えられました。
その後エルサレムにてネタニヤフ首相との首脳会談が行われ、2014年5月のネタニヤフ首相来日以来の再会を喜び合いました。
ネタニヤフ首相は会談の冒頭で、安倍首相に対して以下の通り歓迎の辞を述べました。
「総理をお迎えすることができ、嬉しく思います。今回のご来訪は、先の私の日本訪問の返礼的なものと考えており、日本とイスラエル両国国民の素晴らしい能力を1つに団結する歴史的な機会です。私たちが協力できる分野は経済、技術、およびその他の分野の多岐にわたると思いますし、両国の国民双方の利益のため互いに協力することを楽しみにしています。」
その後、26名の日本人実業家および企業トップが参加した会合において、安倍首相は、両国関係発展には安定した進歩が見られ、また経済はより一層の関係発展に向けて最もポテンシャルのある分野のひとつであるという考えを述べられました。
今回の訪問では、両国首相が共にイスラエルの革新技術の特別展示を訪問し、その際以下のイスラエル企業が、安倍晋三首相へ自社開発技術を紹介しました。
Phinergy 社‐アルミニウムを基盤にした革命的な電池を開発したクリーンテク企業であり、電気自動車およびハイブリッド自動車用クリーンエネルギー、あるいは家庭用補助電源のためのソリューションを提供。
Real View社‐3D用の眼鏡、あるいは2次元スクリーンをより革新的・最新式のものに変える必要なく「画像が空中を舞うような」3D映像を可能にする、3Dホログラム投影技術を開発。
ReWalk 社‐脊柱損傷がもとで歩行障がいを抱えた人々のために、再び歩くことを可能にする「着られるロボット」を開発。
Consumer Physics社‐食品及び薬品の成分・含有物を分子解析で読み込み、携帯アプリでその結果の表示も可能にするセンサーを開発。
ElMindA社‐人間の行動時における脳の動き・および脳の動きの連結性と同化を、神経生理学的に視覚化し評価するBNA技術を初めて開発。
今回の訪問に先駆けて、イスラエルと日本との間では、昨年7月に両国企業間の研究開発協力を促すための産業R&D協力に関する初の協定が締結されています。
写真上：Rewalk社の「着られるロボット」を見学する両首相／©Amos Ben-Gershom
ネタニヤフ首相との会談後、共同プレスリリースが発表されました。
日本 ― イスラエル共同プレスリリース
英語（原文）
また両首相は、この度の訪問中に、科学技術振興機構(日本)と科学技術宇宙省(イスラエル)が科学分野での協力覚書に署名したことについて、歓迎の意を示しました。
科学技術振興機構 ― 科学技術宇宙省の科学分野で協力覚書
英語(原文)
写真：協力覚書への調印式／©Jorge Novominsky
19日(月)、安倍首相夫妻はイスラエル最大のホロコースト追悼記念館であるエルサレムの「ヤド・ヴァシェム」を訪れました。
今年は、第二次大戦中に多くの犠牲者を生み、数ある収容所の中でも最大規模だったアウシュビッツ強制収容所の解放から70年にあたることを受け、首相は献花の後敷地内に「諸国民の中の正義の人」として植樹されている杉原千畝元領事代理の記念樹を訪問し、記帳を行うと共に、
ホロコーストの犠牲となった人々に追悼の意を表しました。
写真：床に絶滅収容所の名前が刻み込まれた「記憶のホール(Hall of Remembrance)」にて。
ホール中央には「永遠の炎(Eternal flame)」が燃えています。／©Jorge Novominsky
さらに首相は、エルサレム旧市街を視察し、それぞれユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地となっている嘆きの壁、聖墳墓教会、岩のドームを訪れました。
写真：ユダヤ教の聖地である嘆きの壁にて、キパー(Kippah)と呼ばれる小さな帽子をかぶる安倍首相。嘆きの壁を訪れるすべての男性は、神への畏敬の念を表し頭頂部を隠します。／©Jorge Novominsky
写真：ルーベン・リブリン大統領との会談にて／©Jorge Novominsky
写真：ネタニヤフ首相夫妻による、安倍首相夫妻の歓迎夕食会／©Haim Zach