平素よりイスラエルの文化事業にご理解・ご協力いただき誠に有難うございます。
では、早速7月のイベントを以下に。
1. 21_21 DESIGN SIGHT「そこまでやるか:壮大なプロジェクト展」にダニ・カラヴァン作品 21_21’s Exhibition ”Grand Projects: How Far Will You Go ?”features Dani Karavan’s works
2. SKIP シティ国際Dシネマ映画祭2017でアサフ・ポロンスキー監督「喪が明ける日に」 “One Week and a Day” directed by Asaph Polonsky at SKIP City International D-Cinema Festival 2017
3. エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団「マーラー:大地の歌」 Mahler: Das lied von der Erde by TMSO & Eliahu Inbal
4. ギラ・ジルカ出演「ジャズ in 藝大2017 Challenging Jazz」 Geila Zilkha @ JAZZ in GEIDAI 2017 “Challenging Jazz”
5. 新譜・新刊案内 New discs and New books
『アヴィタル・ミーツ・アヴィタル』 アヴィ・アヴィタル&オメル・アヴィタル 『Avital Meets Avital』 by Avi Avital and Omer Avital
『クロス・マイ・パーム・ウィズ・シルバー』 アヴィシャイ・コーエン(トランペット) 『Cross My Palm With Silver』 by Avishai Cohen(tp)
『スリ-サム』 バターリング・トリオ 『Threesome』 by Buttering Trio
『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』セフィ・ジスリング 『Beyond The Things I Know』 by Sefi Zisling
『神社めぐりをしていたらエルサレムに立っていた』鶴田真由『Find myself in Jerusalem by traveling around shrines』by Mayu Tsuruta
*巻末ミニ・ニュース
① デイヴィッド・グロスマンが「ブッカー国際賞」を受賞!『A Horse walks into a Bar』 by David Grossman wins the Man Booker International Prize
② ショートショート映画祭2017でエウゲニア・ドディナが「ベスト・アクトレスアワード」受賞!Evgenia Dodina wins the Best Actress Award of Short Shorts Film Festival & Asia 2017
③ 毎年恒例!SABON BEACH HOUSE オープンSABON BEACH HOUSE will open on Saturday, July 1 in Kamakura
1. 21_21 DESIGN SIGHT
「そこまでやるか:壮大なプロジェクト展」にダニ・カラヴァン作品
21_21’s Exhibition ”Grand Projects: How Far Will You Go ?”features Dani Karavan's works
「つくることの喜びとともに、「壮大なプロジェクト」に向かって歩みを進める表現者たち。
本展では、既存の表現方法の垣根を超えた大胆な発想を実現するクリエイターたちによる「壮大なプロジェクト」を紹介します。
不可能ではないかと思われるようなプロジェクトを実現してきた彼らを本展の出発点として、ダイナミックな手法で活動を行うさまざまな分野の作家が集います。
綿密な計画を練り、多くの人たちの協力と賛同を得ながらプロジェクトを実現する様子は、完成した広大なスケールの作品と合わせて、「そこまでやるか」という驚きに似た感情を見る人に呼び起こします。彼らの姿勢は、自然環境の中での技術的な課題、経済的な問題、時代や情勢の変化など様々な困難に立ち向かう強い意志と情熱、数多くの試行錯誤、そして信念を持って行動する決断力を感じさせます。」(主催者HPより)
…イスラエルを代表する巨匠ダニ・カラヴァン。
イスラエル、フランス、スペインなどで、まさに環境芸術というべきスケールの大きな作品に取り組み続けきました。日本でも“パブリック・アート”というか野外モニュメントが90年代以降あちこちに造られ、2008年には世田谷美術館で大回顧展も開催されました。そんな彼も、昔はバットシェバ舞踊団(今年10月来日!映画も公開予定)のステージデザインなども手がけていました。と聞くと、今のカラヴァンがオハッド・ナハリン(バットシェバ舞踊団芸術監督)と組んだら、どんなことになっちゃうんだろうと、巨大な(?)妄想が膨らんだりします。
「そこまでやるか:壮大なプロジェクト展」(現在開催中)
”Grand Projects: How Far Will You Go ?” (now on)
日時:6月23日(金)- 10月1日(日)/ 火曜日休館 10:00 - 19:00(入場は18:30まで) *9月30日(土)は六本木アートナイトに合わせ、特別に24:00まで開館延長します(予定/最終入場は23:30)
会場:21_21 DESIGN SIGHT (東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン)
料金:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
展覧会ディレクター:青野尚子
参加作家:クリストとジャンヌ=クロード、淺井裕介、ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ、 ヌーメン/フォー・ユース、ダニ・カラヴァン、石上純也、ジョルジュ・ルース、西野 達(順不同)
←「ネゲヴ記念碑」(1963~1968)(c)Micha Peri
詳細:http://www.2121designsight.jp/program/grand_projects/
ダニ・カラヴァン Dani Karavan
1930年にテルアビブで生まれたカラヴァンは、1960年代初頭から、演劇、ダンス、オペラの舞台装置をデザインし、バットシェバ舞踊団(Batsheva Dance Company)、マーサ・グレアム(Martha Graham)、ジャン・カルロ・メノッティ(Gian Carlo Menotti)の作品に参加してきた。その一方で、エルサレムのクネセト(国会)本会議場において石壁のレリーフを手掛けるとともに、自身初のサイトスペシフィックな環境彫刻であるネゲヴ記念碑をベエルシェバ近郊に制作した。これは、環境芸術およびサイトスペシフィック彫刻における画期的作品となった。以降、イスラエル、ヨーロッパ、米国、韓国、日本などで環境彫刻の制作を依頼されている。これまでに世界中の多くの美術館で展覧会を行い、イスラエル賞(彫刻部門)や、芸術界のノーベル賞にあたる日本の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した。テルアビブとパリで生活し、制作を行っている。
2.SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で アサフ・ポロンスキー監督『喪が明ける日に』上映
“One Week and a Day” directed by Asaph Polonsky at SKIP City International D-Cinema Festival 2017
「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017は、21世紀の映画制作の主流となったデジタルシネマ(Dシネマ)をテーマにした国際映画祭を開催することにより、国内をはじめ世界の映画関係者に対し、SKIPシティを映像産業の拠点としてPRするとともに、次世代を担う新たな才能の発掘を通じて、Dシネマのより⼀一層の発展及び映像産業の発展に寄与する。」(主催者HPより)
…イスラエル映画参加率が高いSKIP シティ国際Dシネマ映画祭。近い距離で監督の話もじっくり聴ける、密度の濃い映画祭です。SKIP シティは確か川口駅から無料バスで10分くらい。意外に遠くありません。
あっ!!エウゲニア・ドディナさん、ここにも出てる!今年のShort Shorts映画祭で「ベスト・アクトレスアワード」を受賞した人です(*巻末ミニ・ニュースをご覧ください)。
日時:7月15日(土)~7月23日(日)
場所:SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール・多⽬的ホール 他 (埼玉県川口市上青木3-12-63)
料金:コンペ作品一回券600円(前売り)/800円(当日) セブンイレブン、ファミリーマート、チケットぴあなどで
問合せ:SKIP City 国際Dシネマ映画祭事務局 TEL:048-263-0818
『喪が明ける日に/ One Week and a Day』 (Shavua ve Yom)
監督:アサフ・ポロンスキー /イスラエル/ 2016年/ 98 分
出演:シャイ・アヴィヴィ、エウゲニア・ドディナ、トメル・カポン、アロナ・シャウロフ
日時と場所:
7月17日(月・祝)10:30 映像ホール
7月20日(木) 14:30 多目的ホール
喪の最終日とその翌日の二日間。 息子を失った夫婦の悲嘆と再生を描く感動作。
ユダヤ教の喪「シヴァ」。息子を亡くしたエヤルとヴィッキー夫妻が、その最後の日を迎える。妻は早く夫に日常の生活に戻ってもらいたいと考えていたが、夫は息子に処方された医療用大麻で憂さを晴らしていた。
<解説>
本作はユダヤ教の喪「シヴァ」を題材に、息子を亡くした夫婦の悲しみと再生を、どこかユーモラスさを交えながら静かに映し出した良質な人間ドラマ。アメリカ生まれ、イスラエル育ちのアサフ・ポロンスキー監督は、高校で映画制作を学び、これまでに発表した3作の短編で、若くして既に国内外で注目を浴びていた。初長編となる本作は、2016年のカンヌ国際映画祭国際批評家週間でワールド・プレミアされ、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭、AFI映画祭などに招待されたほか、イスラエル映画祭・イスラエル映画コンペティション部門で作品賞、第一回監督作品賞、脚本賞、国際批評家連盟賞を受賞。またイスラエル映画アカデミー賞でも最優秀助演男優賞を含む7部門でノミネートされた。主演のシャイ・アヴィヴィは、日本ではNetflixで配信されている『アトミックファラフェル』(15)でも主演を務める本国の人気俳優である。©Moshe Mishali
詳細:http://www.skipcity-dcf.jp/films/films10.html
アサフ・ポロンスキー Asaph Polonsky
1983年アメリカ、ワシントン生まれ。イスラエルで育ち、短編作品『Zipper』(08)と『In Bed at 10PM』(10)を監督した。アメリカン・フィルム・インスティチュートの監督コースに参加し、卒業制作にあたる短編『Samnang』(13)がニューヨーク映画祭にて上映されたほか、数々の国際映画祭で賞を受賞。本作は長編デビュー作となる。
3.エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団「マーラー:大地の歌」
Mahler: Das lied von der Erde by TMSO conducted by Eliahu Inbal
「都響今季唯一のマーラーは、インバル指揮の《大地の歌》。第2交響曲《復活》第1楽章の原曲である《葬礼》と、交響曲にして巨大な連作歌曲《大地の歌》という、マーラーの若き日と晩年を彩る異色作の組み合わせです。マエストロからの要請を受け来日する名歌手2人の歌唱とともに、インバルが彫琢するマーラーの肖像をじっくりとご鑑賞ください。」(主催者HP)
「マーラーを演奏するに値し、彼の音楽が持つ宇宙をより深く理解するには、私たちは芸術家、人間として成長しなければなりません。都響と聴衆の皆さまは、2回のマーラー・ツィクルスをともに経験し、マーラーの芸術性の理解を高めました。私たちはマーラーのメッセージをより深く理解できると確信しています」(インバル)
…帰ってきたマエストロ・インバルのマーラー。何度やっても常に新しく、進化&深化していくその解釈。 お会いしたときに「まだまだ、いや、もっともっと、極めたいね。マーラーを」とおっしゃっていたお言葉を思い出しました。「音楽こそが、若さの秘訣!」とも。
迫力満点の特設サイトもご覧ください。サイトでは、インバルによるマーラーの交響曲第6番から10番までの動画を順次アップされていきます。ただいま6番を公開中ですが、公演直前にはマーラーの後期の交響曲を一挙にご覧いただけます。
都響「大地の歌」のスペシャルサイト:http://www.tmso.or.jp/inbal2017/
<公演情報>
日時: 7月16日(日)14:00開演(13:20開場)
7月17日(月・祝)14:00開演(13:20開場)
場所:東京芸術劇場コンサートホール(東京都豊島区西池袋1-8-1)
指揮/エリアフ・インバル
コントラルト/アンナ・ラーション
テノール/ダニエル・キルヒ
曲目 マーラー:交響詩《葬礼》、大地の歌
料金:4000~8000円
予約:都響ガイド TEL: 03-3822-0727
(c)RikimaruHotta
詳細:http://www.tmso.or.jp/
エリアフ・インバル Eliahu Inbal
1936年イスラエル生まれ。これまでフランクフルト放送響(現hr響)首席指揮者(現名誉指揮者)、ベルリン・コンツェルトハウス管首席指揮者、フェニーチェ劇場(ヴェネツィア)音楽監督、チェコ・フィル首席指揮者などを歴任。都響には1991年に初登壇、特別客演指揮者(1995~2000年)、プリンシパル・コンダクター(2008~14年)を務め、2回にわたるマーラー・ツィクルスを大成功に導いたほか、数多くのライヴCDが絶賛を博している。2014年4月より都響桂冠指揮者。仏独政府およびフランクフルト市とウィーン市から叙勲を受けている。
4.ギラ・ジルカ出演「ジャズ in 藝大2017 Challenging Jazz」
Geila Zilkha @ JAZZ in GEIDAI 2017 “Challenging Jazz”
東京藝術大学130周年記念公式プログラム
グレン・ミラー、ベニー・グッドマンから瀧廉太郎まで!
演奏予定曲 「メモリーズ・オブ・ユー」「ナイト・イン・チュニジア」「荒城の月」ほか
「Challenging Jazz~挑戦するジャズ
今年2017年は、東京藝術大学の前身である、東京音楽学校ならびに東京美術学校が創設されて、丁度130年目の節目の年を迎えています。今から130年前といえば、西暦1887年、明治20年です。まだジャズそのものが生まれていません。ではそんな時代、日本ではどんな音楽が行われていたかといえば、邦楽が中心で西洋音楽はまさに移入が始まったばかりでした。そのパイオニアの一人が瀧廉太郎(1879~1903)です。彼は1890年、創設間もない東京音楽学校に入学し、一生懸命に西洋音楽を学んでいました。そして「荒城の月」など数多くの名曲を残しましたが、惜しくも24歳の若さで夭折してしまいます。また、東京音楽学校が創設されたその同じ年、その後の日本の音楽界を大きな足跡を残すことになる、作曲家・中山晋平(1887~1952)が生まれています。
今回の「ジャズin藝大」は藝大の130年の歴史に思いをはせ、東京音楽学校で学んだ二人の大先達、瀧廉太郎と中山晋平の楽曲をジャズにアレンジして演奏することにいたしました。題して”Challenging Jazz”、かくいう私もユービー・ブレイクの名曲「メモリーズ・オブ・ユー」にチャレンジいたします。もちろん、その抜群の歌唱力で毎年ご好評いただいているギラ・ジルカさんによる「サマータイム」などのスタンダードナンバーから、MALTAのパワーが炸裂するオリジナル曲まで、バラエティあふれる「ジャズin藝大」となるのではないでしょうか。どうぞ、夏の午後のひと時、熱いジャズをお楽しみください。」 (東京藝術大学演奏藝術センター長 山本正治先生によるメッセージ)
…恒例となってきたギラさんの出演もさることながら、毎年書いてしまいますが、やっぱり副学長の松下先生(作曲科)のMCが…良い味、出し過ぎ。
あのマルタさんとのなんとも言えない掛け合いで、自分が藝大の奏楽堂にいるのを忘れてしまいそう。ちなみに藝大にはジャズ科はありません。だからこそのジャズとの関係性がある、それも「Jazz in 藝大」の特徴のひとつかもしれません。
日時:7月29日(土)15:00開演(14:30開場)
会場:東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
入場料:全席指定 S席5,000円 バルコニー席4,000円 *就学前のお子様の同伴・入場はできませんので、ご了承ください。
問合せ:東京藝術大学演奏藝術センターTEL:050-5525-2300
ギラ・ジルカGeila Zilkha
イスラエル人の父と日本人の母を持ち、神戸で生まれ育つ。バークリー音楽大学に留学。2010 年「第11 回神戸ジャズ・ヴォーカル・クイーンコンテスト」でグランプリを受賞。今までにソロアルバム「all Me」「appearance」「Day Dreaming」、矢幅歩とのデュオでミニアルバム「breathing…」をリリース。ジャズにパワー溢れるソウルフルなエッセンスを加えたヴォーカルは聴く人を楽しく癒す。現在、洗足学園音楽大学でジャズ・ヴォーカルの講師も務めている。
5. 新譜・新刊案内
New discs and New book
『アヴィタル・ミーツ・アヴィタル』 アヴィ・アヴィタル&オメル・アヴィタル 『Avital Meets Avital』 by Avi Avital and Omer Avital
レーベル:Deutsche Grammophon / 発売元:ユニバーサルミュージック合同会社 / 録音年:2016年8月
演奏者:アヴィ・アヴィタル(マンドリン)、オマー・アヴィタル(ベース)
アヴィ・アヴィタルがオマー・アヴィタルに出会って誕生した初のクロスオーバー・アルバムです。
アヴィ・アヴィタルとジャズ・ベーシストのオマー・アヴィタルは名前が同じだけでなく、様々な共通点があります。二人はエルサレムの同じ音楽アカデミーに通い、オマーはジャズを、アヴィは伝統的なクラシックを学びました。そして共にイスラエルでモロッコ人の両親のもとで生まれ育ち、内面に相反するものを抱えて成長し、長い間イスラエルという母国と西側の音楽文化とに関わる日々を過ごしました。アヴィはクラシック音楽で、そしてオマーはジャズで。二人が協力して世界の音楽サウンドを開拓したこのアルバムは、モロッコと北アフリカの音楽、クラシックと民族の伝統音楽、イスラエルのハーモニー、そして地中海のリズムの影響を受け、様々な音楽のバックグラウンド、文化遺産が感じられます。クラシックの室内楽がジャズの生のエネルギーと出会い、音楽のるつぼともいうべきものが創造されています。最後のトラック以外すべてオマー・アヴィタルとアヴィ・アヴィタルによる作曲・編曲。(発売元リリースより)
…久しぶりのオメル(オマー)・アヴィタル。アヴィだけでなく今年の東京JAZZに出演が決まった「イエメン・ブルース」なども、オメルから大きな影響を受けていて、まさに中東音楽と西洋音楽、ジャズとクラッシックをまたぐ、クロスオーバー・ミュージシャンの代表格。アヴィとオメルの組合せを日本で見てみたいですね。
『クロス・マイ・パーム・ウィズ・シルバー』 アヴィシャイ・コーエン(トランペット) 『Cross My Palm With Silver』 by Avishai Cohen(tp)
レーベル:ECM / 録音年:2016年9月 / 発売日:5月9日
2016年1月に『Into The Silence』でECM鮮烈デビューを遂げたテルアヴィヴ生まれのトランペッター、アヴィシャイ・コーエン第2作目が登場。
今作はアンサンブル、チームワークに焦点を当てたカルテット作品で新曲ばかりを演奏。とても巧みな、テレパシーの相互作用でメンバー同士で繰り広げられるインタープレイがアヴィシャイ・コーエンを飛躍させ、現シーンにて最も注目且つ話題のジャズ・ミュージシャンであるということを明確にしている。アヴィシャイ曰く、「ここに参加している全員が一緒というのが僕のドリーム・チームなんだ。」とのこと。ヨナタン・アヴィシャイ, バラク・モリそしてナシート・ウエイツの3人はアヴィシャイのインプロヴィゼーションのセンス 、ストラクチャーに対するフィーリングも共有する仲間。「僕たちは一番今バランスが最も取れた完璧な立ち位置にいると思う。とてもオープンで、インプロヴィゼーションを可能にする空間が存分にあり、誰もが自由に音楽を演奏できるんだ。同時にコンポジションも特異で雰囲気もより直接的。」と語る注目の作品。(メーカーインフォより)
…イスラエルジャズ界にはアヴィシャイ・コーエンという同姓同名のスターが二人いて、一人はベーシスト、もう一人はトランペッター。トランペッターのほうには姉と兄がいて、姉のアナットはクラリネット奏者、兄のユヴァルはサックス奏者でイスラエルのジャズ教育の第一人者。3人一緒に“3(スリー)コーエンズ”として活動することもあります。今回の新譜では、ピアノのヨナタン(この人は苗字がアヴィシャイ。紛らわしくてすみません)とは“サードワールドラブ”というユニットで、ドラムのナシートとは“トリヴェニ”というユニットで、長い信頼関係を築いてきた盟友たちが脇を固めてます。そこに“燻し銀”のバラクが加わるとは、渋い。さすがECMレーベル。
ところで、バラクつながりで、テルアビブ・ジャズフェスティバルのデレクター、バラク・ワイスへのインタビューによる、イスラエルジャズシーンについてのわかりやすい記事があります。お馴染みの皆の動画もでてます。こちらから↓
「Jazz Kibbutz: A Brief History of Israel’s Jazz Scene」interview to Barak Weiss, Director of the Tel Aviv Jazz Festival
『スリ-サム』 バターリング・トリオ 『Threesome』 by Buttering Trio
レーベル: rings / 発売日:5月24日
イスラエル発、新世代フューチャー・ソウル・トリオ!!
R&B~ソウル~ジャズ~ビート・ミュージックを自在に乗りこなす才能とセンスに、ワールドワイドな注目が集まっている男女3人組、遂に日本初上陸!
イスラエルから登場したバターリング・トリオは、地中海・中東の民族音楽のエッセンスも加わったハイブリッドでフューチャリスティックなソウル・サウンドによって、耳の早いリスナーを虜にしている。世界的に注目されるイスラエルのジャズ・シーンとも関係が深い、イスラエルの新しい音楽シーンを作り出しているレーベルRaw Tapesからの本邦初リリース!! (原 雅明) (発売元リリースより)
↑↓上も下も、今、赤マル急上昇中の“レジョイサー系”。先々月号でご紹介したニタイ・ハーシュコヴィッツの『I asked you a question』も然り。ゆるいエレクトリック・サウンドが、懐かしいけど近未来的な浮遊感をかもし出します。“レジョイサーRejoicer”ことユヴァル・ハヴキンYuval Havkinはまぎれもなく、今、イスラエルで一番忙しいプロデューサー。ロンドン生まれのテルアビブ育ち、14歳からバイナル(レコード)の収集をはじめ、2006年より演奏活動開始、2009年にRaw Tapesレーベルを設立。2011年以降はケレン・ダン、ベノ・ヘンドラーとともに“バターリング・トリオ”を結成。驚いたことにお祖母様の名前がテルマ・イェリンThelmaYellin !!チェリストだったそうです。NYで活躍中の多くのイスラエルジャズメンが卒業した芸術高校の名前ですよね。それだけでも彼がタダモノでないことが十分わかります。まさに、今、最も旬な”Mr. Tel Aviv Sounds”。よかったら下のリンクから↓音を聴けますので、
好きなジャケからポチっとしてみてください。不思議な音が流れてきますよ。
『ビヨンド・ザ・シングス・アイ・ノウ』セフィ・ジスリング
『Beyond Then Things I Know』 by Sefi Zisling
レーベル: rings / 発売日:5月24日
世界的に注目を集めるイスラエルのジャズとファンク・シーンに深くコミットしてきた最重要トランペット奏者/作曲家セフィ・ジスリングが遂にソロ・デビュー!!
イスラエルのジャズ/ファンク・シーンでトップ・プレイヤーとして活躍してきたセフィ・ジスリングが、バターリング・トリオのプロデューサー、リジョイサーと作り上げた『Beyond The Things I Know』は、洒脱でアーバンなムードに、スピリチュアル・ジャズ、アフリカ音楽、サイケデリックなファンク、コズミックなビートがインサートされ、極上の音楽の旅を楽しめる。(原雅明)(発売元リリースより)
『神社めぐりをしていたらエルサレムに立っていた』鶴田真由
幻冬舎 6月10日発売 1300円+税
『Find myself in Jerusalem by traveling around shrines』 by Mayu Tsuruta, Gento-sha
「古事記」をたどる旅が、いつしか世界古代史ミステリーツアーに! 神々の道のりを辿った 、旅エッセイ。
伊勢、諏訪、剣山、沖縄――と、“日本の神々の物語"を辿っていると、ふしぎふしぎ。「エルサレム」という言葉にたびたび出会う。
さらに、行く先々で出合う、偶然すぎる偶然。つながっていく意外な縁。少しずつ開いていく、謎の扉。ついに、世界の“聖なる秘密"に触れてしまったかも……!? これはもう、イスラエルに旅立たなくては!
大陸の東《神々の国、日本》から、大陸の西《「聖書」が生まれた国》へ。日本の国生み物語と「聖書」が、リンクしていく、ふしぎなふしぎな聖地めぐりエッセイ。 (出版社コメント)
…女優の鶴田真由さんが、神秘的なエピソードをたどってイスラエルを旅します。いろんな考え方があると思いますが、まずイスラエル旅行を楽しんでいただけたことが何より。
*巻末ミニ・ニュース
① デイヴィッド・グロスマンが「ブッカー国際賞」を受賞!『A Horse walks into a Bar』 by David Grossman wins the Man Booker International Prize
ブッカー賞は世界的に権威のあるイギリスの文学賞。その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる。もともとイギリスとアイルランド国籍の著者によって英語で書かれた長編小説のための賞だったが、2005年に海外作品対象の国際賞 (The Man Booker International Prize)が設立された。原著者と翻訳者の両者に授与される。今年は『A Horse walks into a Bar』の原作者デイヴィッド・グロスマンと、英訳をした翻訳者ジェシカ・コーエンが受賞。グロスマンは、アモス・オズやA.B.イェホシュアと並ぶイスラエルの代表的な知性派作家であり、政治的な随筆でも有名。日本で翻訳されているものも『ヨルダン川西岸』『ユダヤ国家のパレスチナ人』『死を生きながら』のような硬派なものから、『ライオンの蜂蜜』『ヨナタンは名たんてい』など幅広い。2010年東京国際映画祭で”東京さくらグランプリ“を受賞した『僕の心の奥の文法(Intimate Grammar)』もグロスマンの原作。ちなみに、最終選考に残った6人の中にもう一人イスラエル人が!それはアモス・オズ、作品名は『Judas』。
詳細:http://themanbookerprize.com/news/horse-walks-bar-david-grossman-wins-man-booker-international-prize-2017
Photo: courtesy of the publisher
② ショートショート映画祭2017でエウゲニア・ドディナが「ベスト・アクトレスアワード」受賞!
Evgenia Dodina wins the Best Actress Award of Short Shorts Film Festival & Asia 2017
今年のショートショート映画祭インターナショナルコンペティション部門で上映されたイスラエル作品『アナ』(オル・シナイ監督)の主演女優エウゲニア・ドディナが<インターナショナル部門>のベストアクトレスアワードを受賞。ストーリーは、中年のシングルマザーの孤独と情念、そして諦めを、子供がたまたま不在となったある一日の流れで描き出したもの。イスラエルの強い日差しと、主人公の鬱屈する欲望やケダルイ雰囲気が絶妙にマッチ。短編映画とはいえ、否だからこそ、名門劇団「ゲシェル・シアター」で鍛え上げてきた彼女のプロフェッショナルな仕事ぶりが光ました。
詳細:http://www.shortshorts.org/2017/topics/news/ja/2509
ちなみに同映画祭のオフィシャルコンペティションにノミネートされた3人の監督が、新鮮な感性で「東京」を映像化し、新たな東京の魅力を引き出すコラージュ映像を製作しました。エミール・エズワン監督(マレーシア)は「ハイテク」、オール・シナイ監督(イスラエル)は「自然」、そして、ローラン・キング監督(アメリカ)は「伝統」を、それぞれ独自の視線で、東京の多彩な魅力を映像にまとめました。http://shortshorts.org/tokyo_project/ensemble.html
③ 毎年恒例!SABON BEACH HOUSE オープン
SABON BEACH HOUSE will open on Saturday, July 1 in Kamakura
イスラエルのビーチリゾート、テルアビブで生まれたSABON。
その世界観を堪能できるSABON ビーチハウスが今年も7月1日からの2ヶ月間オープンいたします。シャワールーム&パウダールームでは、SABONでもっともラグジュアリーな「デッドシーシリーズ(ビーチハウス初登場!)」や、夏にしか出逢えない幻想的な香りの「マンゴー・キウイシリーズ」など、期間毎にさまざまなアイテムを全身でたっぷりとお楽しみ頂ける空間となっております。カフェスペースではソファやテーブルでくつろぎながら、ヘルシーなイスラエル料理と飲み物・デザートを味わって頂けるほか、週末には一流の講師やインストラクターによる本格的なアクティビティ・プログラムをご用意しております。(リリースより)
SABON Beach House (今年からwebで予約もできるそうです!)
期間:7月1日~8月31日
営業時間:カフェスペース10:00~20:30 シャワー&ロッカー9:00~17:00(最終受付)
場所:神奈川県鎌倉市由比ヶ浜海岸(JR鎌倉駅より徒歩15分、江ノ島電鉄由比ヶ浜駅より徒歩7分)
料金:シャワー&ロッカールーム使用料:¥2,500(税込)/中学生以下¥1,500(税込み) 未就学児無料
問合せ: 090-3434-3300 ※7月1日(水)~8月31日(月)のみの対応となります。
※天候などにより変動、一部貸し切りありのため、詳しくは上記電話番号までお問い合わせください
詳細:https://www.sabon.co.jp/news/sabon_beachhouse/
いつもイスラエルの文化・芸術に興味を持ってくださってありがとうございます。
「トニー賞」ってご存知ですか?
ニューヨークのブロードウェーで上演された演劇作品に対して与えられる賞で、“演劇のアカデミー賞”ともいわれ、特にミュージカル界においては最も権威ある賞とされてるそうですが、今年は『オスロ』という中東和平交渉を扱った演劇が作品賞を受賞したそうです。…歴史というには最近過ぎる気もするし、一方、もうずっーと遥か昔のことのようにも思えるオスロ合意。こういう政治的な出来事(しかも水面下の政治交渉)がブロードウェーで演劇として演じられるなんて、そして人気があるなんて、ちょっと不思議な気持ち。
きっと多くの人を惹きつけるドラマとエネルギーが、詰まった作品なんだと想像します。機会があったら観てみたいですね。…え?3時間?わお!
引き続き、ご指導・ご支援賜れますよう宜しくお願いいたします。