3月26日開催NARO-ARO農業技術シンポジウム

農業科学の日イ共同シンポジウム開催(3月26日)

  •  
     
    (For English click here​)​

    2017年から「水利用」をテーマに二国間共同研究を行っているイスラエル国立農業研究所と農研機構(NARO)。
     
    326日(火)午後、その中間報告を兼ねたシンポジウムが開催され、AROの土壌・水・環境科学ユニットから共同研究メンバー4名と国際連携部長が参加しました。(会場:文部科学省研究交流センター《つくば市》)
     
    冒頭、NARO野菜花き研究部門の坂田好輝部門長とイスラエル大使館文化科学技術担当官 アリエ・ロゼン氏がご挨拶。ロゼン担当官は、「イスラエルはスタートアップ、日本はものづくり・・・国土の60%が沙漠のイスラエル、67%が森林の日本・・・対照的な両国の違いはむしろお互いを補完し、その類似性はパートナーシップを強固にしている」と述べました。
     
    日本のポスドクにAROに是非来てしてほしい」―そう語るのは、ARO国際連携担当部長のアルツスタイン教授。 
    現在日本でもスタートアップ大国として注目されるイスラエルですが、これまで際立ってニュースになるのはITやファーマ系ハイテク産業が中心でした。同教授によると、産業界中心だった農業技術系産学連携プレシードマネーが大学・研究所にシフトし、アグリテック分野のスタートアップが活気づき始めたのが15年ほど前。きっかけは、国の方針転換。AROだけでなく、ワイツマン科学研究所・テクニオン大・ヘブライ大が農業科学技術研究へ注力し始めたのが追い風になりました。ちなみに現在500社ほどあるアグリテック系スタートアップの半数は過去10年に起業したとのこと。
     
    基調講演は日本のアグリテックインダストリーから2社。40年以上前からイスラエルの灌漑技術を輸入してきたサンホープ社益満社長と、イスラエル発点滴灌漑で知られるネタフィムジャパンから田川氏が登壇。
    益道社長は、イスラエルの栽培研究成果・情報を農家へ伝達するフローが日本と大きく異なることや自社の参画する産学連携の取り組みについて、また田川氏は栽培環境の大きく異なる日本へ則した点滴灌漑システム導入や、AIを使った新しいシステム「NetBeat」を紹介しました。
     
    出口戦略として、KIDUMという技術移転部門を持つARONAROとの共同研究成果をどう社会実装するか、今後さらに注目するところです。
     
    NARO-ARO共同研究課題
    農林水産省農林水産技術会議の平成29年度「戦略的国際共同研究推進委託事業」のうち「国際共同研究パイロット事業」に関する共同公募にて選定されました。
     
    ・「再生水を利用する節水潅水システムの開発」
    ・「水質の異なる再生水の農業利用における処理、利用および影響に関する研究」
    ・「農村集落排水処理水の農業利用に伴う有害微生物によるリスクの特定」
    ・「地上・地下灌漑を活用した再生水に対応する野菜栽培における水利用効率の向上」
     
    共同公募詳細はこちら↓
     
    ◎イスラエル国立農業研究所ウェブサイト
    ARO Volcani Center
     
    Kidum - R&D Applications and Technology Transfer
     
    SAVE THE DATE!アグリテック関連イベントのお知らせ
    AGRISRAEL4.0』、イスラエルで開催(624日(月)~27日(木))!
    デジタル農業革命に特化した初のカンファレンスに是非参加してみませんか。
    詳細は特設サイトから https://agriisrael.com/
     
     
    Photos 農研機構(NARO
     



    挨拶をするアリエ・ロゼン文化科学技術担当官